西大寺の家

2012年竣工
奈良県奈良市

敷地はかつての西大寺の境内エリアに在り周辺環境は
歴史的な風情の色濃く残る地域でした。そこはいぶし銀
の瓦屋根に白壁というイメージの景観が拡がっていまし
た。敷地面積は広大で、江戸時代からあるという築年数
の古いお屋敷が残って居ましたが、長年住んでおらず老
朽化が激しかったので全面撤去しました。建て替えると
しても、かつての痕跡は残そうと意識し、なだらかな大
屋根と、いぶし銀の瓦葺きとしましたが幾分モダンな平
瓦調としました。外壁は重厚さを出すために、骨材の入
った左官仕上げとし、道路との境目の塀も頂部に瓦を載
せて建物デザインと合わせたデザインとしました。内部
は一転、洋風な造りとして構成、チーク材の無垢フロー
リングと玄関にはトラバーチン、自然石、ナラ無垢材を
多用した優しい色目のインテリアを構成しました。一部、
壁のニッチにマンダリン調のオーナメントを入れたのは
お施主様のご希望、当時東京・代官山にあったショップ
から直接注文、オリジナルにデザインして設置しました