姫路・天満の家 主屋

兵庫県姫路市
2020年3月竣工

築百年・古民家のリノベーションです。構造・断熱・設
備という点で新築に近い各種性能を引き上げるとともに、
残した既存部分と、新たに付加した新規部分との境目が
分かりにくいような、滑らかな連続性を意識してデザイン
しました。素材的には出来るだけ、既存部分の時間の累
積した素材感に充分、伍するような重厚感のある素材を
慎重に選択し、違和感の無い共存を許容できる工夫を凝
らしました。また間接照明のテクニックを駆使し、昼間と
は違った様相を夜間に呈するよう、空間を愉しめる余裕を
随所に、盛り込みました。適度な暗がりの中にこそ美しく
見える素材の見せ方はまさに谷崎潤一郎の名著『陰翳礼
賛』で力説された、日本の伝統的美意識を参照しました