旧神奈川県立近代美術館
1951年竣工
神奈川県鎌倉市
学部卒業の頃は、石油ショック後のドン底不況の影響が色濃く残り
2年間就職を遅らせるために、想定外の大学院進学。その春休みに
就職をどうしようかと思い悩み、当時一番のお気に入りの建築家が
ル・コルビュジェだったがゆえ、その系譜を辿れば坂倉準三しかな
いと思い彼の日本でのデビュー作といえば神奈川県立近代美術館。
じゃそれを先ず観に行こうと1週間近く鎌倉に逗留して毎日通い詰め
ました。当時は本箱知識しかなく、建築の見方すら良く分かってい
ない眼識では、この偉大な建築を理解することすらままならず、古臭
い建物だなぁと云う評価しか持てませんでした。しかし東大は出てい
ても建築学を学んだ訳でも無い若者が、無鉄砲にもコルビュジェのア
トリエに入った事や、大阪事務所がある事、大学院の研究室が毒舌
で有名な向井正也氏が何故だか坂倉の評価が高いなど、色々考えた
挙句、玉砕覚悟で面接してもらおうと教授の推薦状も持たず学生時代
に描き溜めた図面だけを小脇に抱えて突撃、不思議なご縁有って採
用と相成りました。そういう意味では此の建築はご縁を結んで頂いた
建物であり2019年に東京事務所がリノベーションをしたプレオープン
の内覧会には勿論、馳せ参じさせて頂いた次第です、坂倉先生、西澤
先生、短い間でしたが本当にお世話になりました。有難うございます
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