室生寺


創建年770年~781年
奈良県宇陀市室生

女人高野との別名があるのは、高野山のように人里離れた山岳に位
置しているからだろうと思いますが、その場所性が此の寺院の独特
の雰囲気を決定づけています。龍神の棲み家とも伝承されてきた地
はそれだけで、神々しく霊場としての特別の地位を与えてしかるべき
ですが、現実には千二百年を経て鬱蒼とした原生林に囲まれた境内
に在る各伽藍には至る所に苔が生し始めていて恰も植物と同化しつ
つあるように見えるくらい自然と共生した伽藍となっています。そうし
た事も有って此処に来ると兎に角、心が落ち着き癒されるのです。こ
んな体験は京都の街中に在る洗練された寺院では絶対に体験できな
い事です。またもう一つお気に入りなのは奥の院に至るまでの400段
は有ると云われる急峻な石段は正に原生林の間を縫って歩く山道と
なっていて樹の元に苔生す姿を観るだけで有り難い気持ちになります





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